名品展

名品展

特別公開 松帆銅鐸

 平成27年(2015)、淡路島の最南端、南あわじ市にある工場の一角で7個の銅鐸が発見されました。地名にちなんで(まつ)()(どう)(たく)と名付けられたこれらの銅鐸は、わが国の銅鐸の中では古い段階に位置付けられるもので、銅鐸研究を飛躍的に進展させる様々な知見をもたらしました。

 まず、銅鐸にはそれぞれに「(ぜつ)」という細長い棒が伴っていました。これは銅鐸内部に吊り下げて音を鳴らすための部品ですが、銅鐸と一緒に発見されるのはとても珍しいことです。さらに、銅鐸の吊り手や舌の一部には、吊り下げるための紐や、その痕跡が残っていました。松帆銅鐸の発見によって、初期段階の銅鐸は、音を聞く銅鐸であることが明らかになったのです。また、銅鐸は舌を吊り下げたまま、大きい銅鐸に小さい銅鐸を入れた入れ子にして埋められていました。その理由は明らかにされていませんが、使用を終えた後の埋納のあり方を示す例として大変注目されます。

 松帆銅鐸が埋納された地域は、古くは江戸時代より銅鐸や銅剣の発見地として知られています。瀬戸内を望む交通の要所に位置するこの地は、青銅器を埋める祭祀をおこなうにふさわしい、神聖な場所であったのかもしれません。

 本特別公開は、南あわじ市のご協力を得て実施するものです。同時に展示する当館所蔵・保管の銅鐸と見比べながら、「聞く銅鐸」と「見る銅鐸」、各々の姿の美しさを味わって頂ければ幸いです。

兵庫県指定重要有形文化財
銅鐸(松帆銅鐸)
(兵庫・南あわじ市)

会 期

令和6年(2024)2月10日(土)~3月17日(日)

会 場

西新館(名品展「珠玉の仏教美術」内)