明治期に奈良博覧会社が正倉院宝物をもとに製作した刀子の一つである。
本品は、把・鞘ともに「緑牙撥鏤」の技法になる刀子。撥鏤は象牙を染色し、表面の色層に線刻(せんこく)を加えて象牙の白の素地を出し、文様を表す技法で、本品では紺色に染めた象牙を用いているが(古代においては紺色も緑色の範囲に含めてとらえられることもあった)、現状では染め色が退色し、大半において象牙の素地が表れている。
把には草花文、鞘には孔雀(くじゃく)、蓮華(れんげ)、綬(じゅ)・花をくわえた鶴や飛鳥、蝶、草花文を表し、部分的に紅色の点彩(てんさい)を施している。鐺(こじり)と帯執(おびとり)金具は金銅製で、帯執金具の上端は蟬(せみ)形にかたどり、腰帯(ようたい)に結ぶための組紐(くみひも)を通している。
刀身は刀子造(とうすづくり)で、刃文は直刃(すぐは)、茎(なかご)は剣形である。
原宝物は『国家珍宝帳(こっかちんぽうちょう)』所載の品で、天武(てんむ)天皇以来、六代の天皇に継承された赤漆文欟木御厨子(せきしつぶんかんぼくのおんずし)に収めて東大寺大仏に献納された御刀子(おんとうす)のーつとされる。
(三本周作)
よみがえる正倉院宝物. 奈良国立博物館, 2020.4, p.130, no.97.
りょくげばちるのつかさやこんどうかざりのとうす(しょうそういんほうもつもぞう) 緑牙撥鏤把鞘金銅荘刀子(正倉院宝物模造)
1口
刀身:鉄製 鍛造 外装:象牙 金具:銅製 鍍金
把長9.0 鞘長14.0 刃長7.0
刀剣
明治時代 19世紀
- H051661
- H051661
- 2020/02/12
- 刀身全体(A面)(刀身のみの状態)(黒バック)
- H051662
- 2020/02/12
- 刀身全体(B面)(刀身のみの状態)(黒バック)
もっと見る
| 収蔵品番号 | 244-1 |
|---|---|
| 部 門 | 工芸 |
| 区 分 | 刀剣 |
| 部門番号 | 工79 |
| 文 献 | よみがえる正倉院宝物. 奈良国立博物館, 2020.4, 223p. |
関連する文化財
| 収蔵品番号 | 画像 | 名称 |
|---|---|---|
| 244-0 |
|
刀子(正倉院宝物模造) |
| 244-2 |
|
斑犀把白牙鞘金銅荘刀子(正倉院宝物模造) |
| 244-3 |
|
紫檀把牟久木鞘金銅荘刀子(正倉院宝物模造) |
| 244-4 |
|
斑犀把紅牙撥鏤鞘刀子(正倉院宝物模造) |
| 244-5 |
|
斑犀把烏犀鞘刀子(正倉院宝物模造) |
| 244-6 |
|
烏犀三合鞘刀子(正倉院宝物模造) |
| 244-7 |
|
黒漆三合鞘刀子(正倉院宝物模造) |
| 244-8 |
|
紫檀把黒漆二合鞘刀子(正倉院宝物模造) |
| 収蔵品番号 | 244-0 |
|---|---|
| 画 像 |
|
| 名 称 | 刀子(正倉院宝物模造) |
| 収蔵品番号 | 244-2 |
|---|---|
| 画 像 |
|
| 名 称 | 斑犀把白牙鞘金銅荘刀子(正倉院宝物模造) |
| 収蔵品番号 | 244-3 |
|---|---|
| 画 像 |
|
| 名 称 | 紫檀把牟久木鞘金銅荘刀子(正倉院宝物模造) |
| 収蔵品番号 | 244-4 |
|---|---|
| 画 像 |
|
| 名 称 | 斑犀把紅牙撥鏤鞘刀子(正倉院宝物模造) |
| 収蔵品番号 | 244-5 |
|---|---|
| 画 像 |
|
| 名 称 | 斑犀把烏犀鞘刀子(正倉院宝物模造) |
| 収蔵品番号 | 244-6 |
|---|---|
| 画 像 |
|
| 名 称 | 烏犀三合鞘刀子(正倉院宝物模造) |
| 収蔵品番号 | 244-7 |
|---|---|
| 画 像 |
|
| 名 称 | 黒漆三合鞘刀子(正倉院宝物模造) |
| 収蔵品番号 | 244-8 |
|---|---|
| 画 像 |
|
| 名 称 | 紫檀把黒漆二合鞘刀子(正倉院宝物模造) |

