浄土宗の学僧である袋中良定(たいちゅうりょうじょう)(一五五二~一六三九)が南都で収集した古代の写経。
奥書から、平安時代の承安五年(一一七五)に書写された、浄瑠璃寺一切経のうちの一巻であったことがわかる。表紙見返しに「南都善光院」という朱印が捺されているが、これは、降魔山善光院念仏寺のことで、その所蔵となったことを示している。袋中上人絵詞伝(京都・鶯瀧寺蔵)によれば、元和八年(一六二二)、袋中は眉目山(まめやま)のあたりで荒廃していた寺院を見出し、それを別地に移して降魔山善光院念仏寺とした。その頃、浄瑠璃寺が堂舎の修理を行う必要があったため、袋中は銀を送り、その代わりとして浄瑠璃寺の一切経を受け取った。これを念仏寺に移し、また不足分は新写して、念仏寺の一切経を整えたという。同じく袋中によって善光院一切経に組み込まれた浄瑠璃寺一切経として、大東急記念文庫所蔵の『智炬陀羅尼経(ちこだらにきょう)』『説妙法決定業障経(せつみょうほうけつじょうごっしょうきょう)』(いずれも承安四年書写)などが知られる。
(斎木涼子)
聖地 南山城-奈良と京都を結ぶ祈りの至宝-. 奈良国立博物館, 2023.7, p.262, no.141.
- D037243
- D037243
- 2003/09/26
- 巻首
- D037244
- 2003/09/26
- 巻末、奥書
- A254727
- 2003/09/26
- 巻首
- A254729
- 2003/09/26
- 巻末、奥書
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| 収蔵品番号 | 1327-0 |
|---|---|
| 部 門 | 書跡 |
| 区 分 | 書跡 |
| 部門番号 | 書137 |
| 文 献 | 聖地 南山城-奈良と京都を結ぶ祈りの至宝-. 奈良国立博物館, 2023.7, 286p. |

