天平六年(七三四)、播磨国加茂郡(はりまのくにかもぐん)(現在の兵庫県小野市・加西市など)の既多寺を中心に知識(ちしき)が集まり書写された写経。知識とは、写経や寺院建立などに際し寄進(きしん)を行って協力する集団のことで、ここでは百巻からなる大智度論を一巻ずつ分担したとみられる。
奥書によれば、この巻六十六は針間直姪売(はりまのあたいめいめ)という女性が担った巻である。本品を含め八十巻以上が現存しており、その奥書には既多寺の尼のほか、針間国造(はりまのくにのみやつこ)、針間直、佐伯直(さえきのあたい)といった現地の有力氏族の男女が名を残している。民間における写経、知識の構成など、奈良時代の地域の仏教信仰の具体相をすることができる貴重な事例である。
(斎木涼子)
奈良博三昧―至高の仏教美術コレクション―. 奈良国立博物館. 2021.7, p.250, no.49.
だいちどろん (はりまのくにきたでらちしききょう) 大智度論 巻第六十六(播磨国既多寺知識経)
1帖
紙本墨書 折本
本紙:縦23.9 長1181.8 表紙:縦24.4 横8.3
書跡
奈良時代 8世紀
天平6年 734年
- D022845
- D022845
- 1999/08/06
- 巻首
- D022847
- 1999/08/06
- 巻末
- D022849
- 1999/08/06
- 奥書
- A229404
- 1999/08/06
- 巻首
- A229406
- 1999/08/06
- 巻末
- A229408
- 1999/08/06
- 奥書
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| 収蔵品番号 | 1248-0 |
|---|---|
| 部 門 | 書跡 |
| 区 分 | 書跡 |
| 部門番号 | 書118 |
| 文 献 | 奈良博三昧―至高の仏教美術コレクション―. 奈良国立博物館, 2021.7, 354p. |

