大袖衣を右衽(うじん)に着て正面を向き、胸前にて両手を袖内で合わせて趺坐(ふざ)する女神像。神像でありながら、頭頂に花形飾りをあらわす点は比較的珍しい。頭・体幹部はヒノキ材の割矧造(わりはぎづくり)だが、両体側を割り矧(は)いだうえでさらに前後に割り矧ぐ、やや特殊な構造をとる。別材製の両脚部は後補。強さをとどめた目鼻の彫り口などから、十一世紀頃の制作と推定される。頭髪には墨を塗り、肉身は素地(きじ)に白色の彩色(さいしき)を施す。着衣部は白下地に丹(たん)を重ね、朱で輪郭を描いた四弁花文を散らしている。
(山口隆介)
なら仏像館名品図録. 奈良国立博物館, 2022, p.138, no.182.
胸前にて両手を袖内で合わせて趺坐する女神像。神像でありながら、頭頂に花形飾りをあらわす点は比較的めずらしい。別材製の両脚部は後補。衣部には、朱で輪郭を描いた四弁花文を散らす。
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大袖衣を右衽(うじん)に着て正面を向き、胸前にて両手を袖内で合わせて趺坐(ふざ)する女神像。神像でありながら、頭頂に花形飾りをあらわす点は比較的珍しい。頭・体幹部はヒノキ材の割矧造(わりはぎづくり)だが、両体側を割矧(わりは)いだうえでさらに前後に割り矧ぐ、やや特殊な構造をとる。別材製の両脚部は後補。強さをとどめた目鼻の彫り口などから、十一世紀頃の制作と推定される。頭髪には墨を塗り、肉身は素地(きじ)に白色の彩色(さいしき)を施す。着衣部は白下地に橙(だいだい)色を重ね、赤色で輪郭を描いた四弁花文を散らしている。小泉策太郎(こいずみさくたろう)、野田吉兵衛(のだきちべえ)の所蔵を経て当館に帰した。
(山口隆介)
奈良博三昧―至高の仏教美術コレクション―. 奈良国立博物館. 2021.7, p.269, no.165.















