水晶と菩提子(ぼだいし)を併用したもので、母珠(もしゅ)に施された輪宝形(りんぼうがた)座金具(ざかなぐ)の精
細な作りが注目される。総(ふさ)と紐(ひも)は後補である。精緻な金具の美しさと水晶珠が引き立てあった念珠の名品である。
題箋
子珠をほぼ同数の菩提子と水晶珠で構成する念珠で、水晶子珠の間に四天珠を配する。母珠には、金銅製の透し彫り輪宝形座金具を備えた丸鐶を装着し、記子を垂らす。輪宝形座金具の精細なつくりが、本品の見所の一つである。紐・総は後補。金具の意匠から見て、密教の念珠と想定され、陀羅尼や真言を誦す際に用いたものであろう。
(関根俊一)
密教工芸 神秘のかたち, 1992, p.245

