『法華経』に説かれる様々な尊格を集合像として描く絵画で、『法華経』を信仰する者が礼拝対象としたと考えられる。中央は『法華経』を説いた釈迦如来、その左右に獅子にのる文殊菩薩と、白象にのる普賢菩薩、さらにその回りを、『法華経』信仰者を守護すると考えられる四天王や十羅刹女(じゅうらせつにょ)が取り囲む。十羅刹女は釈迦の教えに触れて改心した十名の羅刹(鬼)のことだが、信仰者の姿と重ね合わされ、現実の女性のように描かれる場合がある。左上の十羅刹女のうちの一人は、髪を肩の長さに切った和装の女性出家者の姿である。本図は補彩が目立つものの、法華経信仰の集合像として重要な作品の一つ。徳島・長善寺旧蔵。
(北澤菜月)
SHIBUYAで仏教美術ー奈良国立博物館コレクションより. 渋谷区立松濤美術館, 2022.4, p.103, no.4.
『法華経(ほけきょう)』を説いた釈迦如来(しゃかにょらい)と文殊菩薩(もんじゅぼさつ)(右)・普賢菩薩(ふげんぼさつ)(左)の三尊を中心に、法華経信者を守護する二菩薩・四天王・十羅刹女(じゅうらせつにょ)を左右に配す。左上の十羅刹女の一人は髪を肩で切り揃そろえ、和装の女性出家者として描かれる。
題箋

