塔鈴は五種鈴(ごしゅれい)(独鈷鈴(とっこれい)、三鈷鈴(さんこれい)、五鈷(鈴(ごこれい)、宝珠鈴(ほうじゅれい)、塔鈴の五口を一組)の一つで、大壇(だいだん)の中央に置かれ大日(だいにち)如来(にょらい)を象徴する。本品は五輪塔(ごりんとう)を奉安する塔鈴。鈴身(れいしん)の形姿などに鎌倉時代の特色を示す。
題箋
塔鈴には、頂に宝塔を安ずるものと五輪塔を奉安するものとの二種があるが、ここに掲げたのは五輪塔の例である。把の中央に横長鬼目を四方に表す。蓮弁帯は重弁八葉、二線の約条で締めており、鈴身も肩から直線的に下がり、裾で横に開く形を示すなど、鎌倉時代の特色が顕著である。端正な形姿を示しており、この時期の優品に数えられる。
(関根俊一)
密教工芸 神秘のかたち, 1992, p.224

