三重県松阪市の天華寺跡所用の塼仏。本品は戦前に採集されたものであるが、後の発掘調査により七世紀後半に造営された東に塔、西に金堂を配する伽藍であることが判明し、川原寺(かわはらでら)式や藤原宮式の瓦も出土している白鳳寺院である。奈良時代を経て平安時代までも存続していたことがわかっている。瓦類のほかに、塑像片や塼仏が多く出土しており、特に本品のような六角形の塼仏は他に例がなく、非常に珍しい資料である。本品は縦長の六角形を呈し、蓮華座上に定印(じょういん)を結んで結跏趺坐(けっかふざ)する如来像が高肉で表されている。頭光の周囲に火焔を表した光背、あどけない丸顔の如来の表情、衣文の表現といった七世紀後半の白鳳仏に通じるものがある。如来の肩付近には釘穴が穿たれ、本品が仏堂の壁面などに固定され、堂内を荘厳していたことを窺わせる。白鳳時代の地方寺院での堂内荘厳を考える貴重な作例である。
(岩戸晶子)
開館一二〇年記念白鳳―花ひらく仏教美術―, 2015, p.265-266
重要美術品 ろっかくがたせんぶつ(みえけんてんげじしゅつど) 六角形塼仏(三重県天華寺出土)
3個
土製 独尊如来像
(復元法量)22.0x14.0
飛鳥時代(白鳳期) 7世紀

- H040341

- H040341
- 2017/09/05
- 2面(3片)全体

- H040342
- 2017/09/05
- 全体(2片に分かれる)

- H040343
- 2017/09/05
- 全体

- D017684
- 1997/03/13
- 全体(2片に分かれる)

- D017686
- 1997/03/13
- 全体

- D009298
- 1995/06/20
- 斜め全景(2片に分かれる)

- D003667
- 1992/11/09
- 全体(2片に分かれる)

- D003665
- 1992/07/21
- 全体(2片に分かれる)

- D003669
- 1992/07/21
- 全体

- D000974
- 2面(3片)全体

- D000975
- 全体(2片に分かれる)

- A024023
- 2面(3片)全体

- A024024
- 2面(3片)全体
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収蔵品番号 | 670-0 |
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部 門 | 考古 |
部門番号 | 考191 |
伝 来 | 三重県一志郡嬉野町天花寺出土 |
文 献 |
関連する文化財
収蔵品番号 | 画像 | 名称 |
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670-1 |
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六角形塼仏(三重県天華寺出土) |
670-2 |
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六角形塼仏(三重県天華寺出土) |
670-3 |
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六角形塼仏(三重県天華寺出土) |
収蔵品番号 | 670-1 |
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画 像 |
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名 称 | 六角形塼仏(三重県天華寺出土) |
収蔵品番号 | 670-2 |
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画 像 |
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名 称 | 六角形塼仏(三重県天華寺出土) |
収蔵品番号 | 670-3 |
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画 像 |
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名 称 | 六角形塼仏(三重県天華寺出土) |