原宝物は短めの大刀で、把頭(つかがしら)が早蕨(さわらび)形をしているため蕨手大刀(わらびてのたち)とも呼ばれる。把の頭部の眼(がん)(紐通しの孔)に菊座金具を付け、そこに通されたとみられる紫染めの鹿皮の手貫緒(てぬきお)(把を手放さないための紐)が付属する。把には木を用いず、鉄の茎(なかご)に樺(かば)を隙間なく巻き付け漆で塗り固め(樺は後補)、握りとする。鞘(さや)は木製、装具は鉄鍛造(たんぞう)製で、いずれも黒漆塗り。刀身は反(そ)りの浅い鋒両刃造(きっさきもろはづくり)で、鍛(きた)えは板目(いため)、流れ刃混じり、刃文は細直刃(ほそすぐは)である。把頭が早蕨形を呈する刀は、古墳時代の終わり頃から平安時代にかけて東北地方を中心に流行したことが出土品から確認され、かつては「蝦夷(えみし)の刀」と称された。
本品は奈良博覧会社が明治八年に正倉院宝物を模して製作した大刀・横刀のうちのーつ。簡素なつくりであるが、重厚な出来映えである。
(中川あや)
よみがえる正倉院宝物. 奈良国立博物館, 2020.4, p.145, no.112.
こくさくおうとう(しょうそういんほうもつもぞう) 黒作横刀(正倉院宝物模造)
1口
刀身:鉄製 鍛造 外装:木製 黒漆塗 蕨手 装具:鉄製 鍛造
把長12.4 鞘長49.7 刃長47.9
刀剣
明治時代 19世紀
明治8年 1875年
- D017776
- H051681
- 2020/02/12
- 刀身全体(A面)(鞘を取り外した状態)(黒バック)
- H051682
- 2020/02/12
- 刀身全体(B面)(鞘を取り外した状態)(黒バック)
- D017776
- 1997/03/25
- 全体
- D036788
- 1995/06/27
- 全体(鞘から抜いた状態)
- A025029
- 1997/03/25
- 全体
- A029467
- 全体(身と鞘を併置した状態)
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| 収蔵品番号 | 253-3 |
|---|---|
| 部 門 | 工芸 |
| 区 分 | 刀剣 |
| 部門番号 | 工88 |
| 文 献 | よみがえる正倉院宝物. 奈良国立博物館, 2020.4, 223p. |
関連する文化財
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| 名 称 | 黄金荘大刀(正倉院宝物模造) |

