円形の銅製鏡板(かがみいた)に三体の尊像を取り付けた懸仏(かけぼとけ)。中央は阿弥陀如来(あみだにょらい)、向かって左は千手観音(せんじゅかんのん)と特定できるが、同右の尊像は両手先を欠失し、厳密には特定できない。ただ、左手は膝上、右手は胸の高さで構えていたようで、これを薬師如来(やくしにょらい)と見て、他の二尊と合わせ熊野三社(くまのさんしゃ)(和歌山県)の本地(ほんじ)(神の本来の姿)を表したものと推定される。宝相華文(ほうそうげもん)を線刻(せんこく)した鐶座(かんざ)を付け、天蓋(てんがい)や花瓶(けびょう)といった装飾を伴わないなど、懸仏としては古様(こよう)を示す。尊像の張りのある顔立ちや肉身も踏まえれば、鎌倉時代も中期に遡(さかのぼ)る作と考えられる。なお、鏡板背面に墨書(ぼくしょ)された人物名については不詳である。
(三本周作)
奈良博三昧―至高の仏教美術コレクション―. 奈良国立博物館. 2021.7, p.270, no.172.
- H063561
- 2025/06/10
- 全体(表面)
- H063562
- 2025/06/10
- 全体(裏面、墨書有)
- J007082
- 2025/06/10
- 全体(裏面、墨書有)
- D022725
- 1999/07/23
- 全体(仏像面)
- D018940
- 1985
- 全体(仏像面)1
- D018941
- 1985
- 全体(仏像面)2
- A229281
- 1999/07/23
- 全体(仏像面)
- A306686
- 1985
- 全体(仏像面)1
- A306687
- 1985
- 全体(仏像面)2
- A306688
- 1985
- 全体(裏面)1
- A306689
- 1985
- 全体(裏面)2
- A306691
- 1985
- 本地仏三体部分
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| 収蔵品番号 | 1540-0 |
|---|---|
| 部 門 | 工芸 |
| 区 分 | 金工 |
| 部門番号 | 工383 |
| 銘 文 | 鏡板背面墨書「兵衛尉源朝光」「□□清原光綱」。箱蓋表墨書「熊野三所本地懸仏/鎌倉時代」、蓋裏墨書「静岡県文化財/奈良博物館/垂迹美術所蔵」 |
| 文 献 | 奈良博三昧―至高の仏教美術コレクション―. 奈良国立博物館, 2021.7, 354p. |

