真言宗の開祖空海(くうかい)が弟子たちに遺した教えとされる『二十五箇条御遺告(にじゅうごかじょうごゆいごう)』に、「能作性玉」と呼ばれる宝珠(ほうじゅ)について記されている。それは唐の師である恵果阿闍梨(けいかあじゃり)が能作性宝珠を作った時の話で、恵果は仏舎利(ぶっしゃり)、砂金、数種類の香木を用意し、鉄臼(てつうす)で搗(ひ)いた香木の粉末を漆に混ぜて球状に丸め、中に舎利を籠めたという。この教えに基づき、真言宗では能作性宝珠を本尊とした修法(宝珠法(ほうじゅほう))がしばしば行われた。本品は蓮台に火焰宝珠(かえんほうじゅ)をのせた形状で、宝珠内に能作性宝珠を安置する。宝珠の三方には金剛界四仏の三昧耶形(さまやぎょう)である三鈷杵(さんこしょ)、羯磨(かつま)、宝珠が線刻されている。能作性宝珠のエックス線透過撮影により、内部に水晶製と思われる容器が籠められており、容器内に数箇の舎利があることが確認された。
(内藤栄)
奈良博三昧―至高の仏教美術コレクション―. 奈良国立博物館. 2021.7, p.261, no.114.
こんどうのうさしょうとう 金銅能作性塔
1基
銅製 鍍金 鋳造 鍛造
総高25.5 框径14.5 宝珠:高7.4 径7.5
金工
南北朝時代~室町時代 14~15世紀
- H003619
- H003619
- 2010/08/31
- 全体(宝珠を横に並べた状態)
- H003622
- 2010/08/31
- 全体1
- H003625
- 2010/08/31
- 全体2
- H003628
- 2010/08/31
- 全体3
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| 収蔵品番号 | 1498-0 |
|---|---|
| 部 門 | 工芸 |
| 区 分 | 金工 |
| 部門番号 | 工370 |
| 銘 文 | 框部底裏線刻銘「寿永三年二月/寺主法師行智」 |
| 文 献 | 奈良博三昧―至高の仏教美術コレクション―. 奈良国立博物館, 2021.7, 354p. |

