繊細優美な姿が目をひく二重円相(にじゅうえんそう)光背。伝来不詳ながら、京都・醍醐寺(だいごじ)阿弥陀如来像および個人蔵阿弥陀如来像に附属する銅造光背とは、法量はもとより二本の銅製支柱で台座に固定する構造や細部意匠まで酷似することが注意される。三面の光背は、原型を同じくすると考えてほぼまちがいない。同形同大の光背が複数存する点については、元来一具として制作された可能性を考えるのも一案だが、むしろ平安時代後期特有の仏事の増大化や日常化に伴う仏像の大量生産という現象との関連についても、検討の余地があろう。
(山口隆介)
なら仏像館名品図録. 奈良国立博物館, 2022, p.153, no.211.
繊細優美な姿が目をひく二重(にじゅう)円相(えんそう)光背。大きさや構造、細部意匠まで酷似する光背がほかに二面知られる。平安時代後期の仏事の増大化・日常化にともなう仏像の大量生産という現象との関連が想起される。
音声ガイド

