胴部が張る形の円筒形のキリ材製の火鉢(ひばち)。側面は全体をめぐって中央よりやや下方に籬(まがき)を浅く浮彫(うきぼり)している。籬の内側には一枚の菊と薄(すすき)を表している。菊は花をシロチョウガイとツゲかと思われる薄茶色の材の象嵌(ぞうがん)で表し、葉は黒柿(くろがき)、玳瑁(たいまい)、鉛の象嵌で表している。薄は木部に陰刻して表されている。その反対側の面では、籬の奥に一枝の枯梗(ききょう)を木部への陰刻で描いている。外面は全体に飴色を呈しており、摺漆(すりうるし)が施されていると考えられる。口縁の内側には火炉(かろ)を受けるための小さな張り出しを作っており、ここに銅製、打出(うちだし)の火炉を落とし込んでいる。この火鉢の主要な意匠は菊と薄であるが、これを中心に木目が広がるように木取(きど)りされている。また、菊の葉を三種類の材料を用いた象嵌で表すなど、微妙な変化を付けている点も注目される。
(内藤栄)
名匠三代―木内喜八・半古省古の木工芸―, 2015, p.44
まがききくすすきぞうがんひばち(きうちけさんだいしりょうのうち) 籬菊薄象嵌火鉢(木内家三代資料のうち)
1口
木製 象嵌
径33.0 高21.1 口径24.7
工芸
明治時代~昭和 20世紀
- H029565
- H029565
- 2015/02/18
- 全体(菊文様面)
- H029566
- 2015/02/18
- 全体(背面)
- H029567
- 2015/02/18
- 菊文様部分拡大
もっと見る
| 収蔵品番号 | 1489-0 |
|---|---|
| 部 門 | 工芸 |
| 区 分 | 工芸 |
| 部門番号 | 工366 |
| 寄 贈 | 岡井一子氏寄贈 |
| 文 献 | 名匠三代木内喜八・半古・省古の木工芸. 奈良国立博物館, 2015.6, 64p. |

