シタン材を用いた扁平(へんぺい)な円形の合子(ごうす)。印籠蓋造(いんろうぶたづくり)で、轆轤挽(ろくろび)きによって成形しており、合口(あいくち)部には田縁(たまぶち)を作り出す。木画の技法で表した花文を蓋表中央に配する。この花文は三重に花弁を重ねた六弁花で、ツゲで作った円文を中央に置いて花心とし、コクタンと象牙で一重目の花弁を表す。二番目は内側から、緑色に染めた角(染角)、コクタン、ツゲ、コクタン、象牙を組み合わせ、さらにその間弁をコクタンと緑色の染角を嵌(は)めて作り、全体で三重花弁の花文をなしている。外面は摺漆(すりうるし)仕上げとし、シタンの木地が光沢を放っている。底裏には「省古作」と線刻があり、木内省古の作とわかる。蓋表中央の花文とは、正倉院宝物の木画紫檀双六局(もくがしたんのすごろくきょく)(北倉三七)の、盤面に二十四箇表された花文と同じものである。本展出品の他の合子と同様、省古が三度行った木画紫檀双六局の模造に際して得た知見をもとに、制作した作品と考えられる。つややかな風合いのシタン木地と、正倉院宝物に由来する文様(もんよう)とが組み合わされた、愛らしい品である。
(田澤梓)
名匠三代―木内喜八・半古省古の木工芸―, 2015, p.47
かもんもくがごうす きうちしょうこさく(きうちけさんだいしりょうのうち) 花文木画合子 木内省古作(木内家三代資料のうち)
1合
木製 木画 轆轤挽
径7.2 高2.7
漆工
明治時代~昭和 19~20世紀
- H029516
- H029516
- 2015/01/09
- 全体(斜め上から見た状態)
- H029517
- 2015/01/09
- 全体(蓋を身に懸けた状態)
- H029518
- 2015/01/08
- 蓋表(真上から見た状態)
- H029519
- 2015/01/08
- 身底裏(真上から見た状態)
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| 収蔵品番号 | 1475-0 |
|---|---|
| 部 門 | 工芸 |
| 区 分 | 漆工 |
| 部門番号 | 工352 |
| 寄 贈 | 岡井一子氏寄贈 |
| 銘 文 | 身底裏・刻銘「省古作」 |
| 文 献 | 名匠三代木内喜八・半古・省古の木工芸. 奈良国立博物館, 2015.6, 64p. |

