楮紙一枚を用いて書かれた古文書を、掛幅装に仕立てたものである。古文書は、延長4年(926)2月13日付で、律令政府の中心たる太政官の下にある民部省符から、大和国に宛てて出された符(上意下達文書)である。その内容は、弘福寺(大和国高市郡所在)が不当に収公された寺田を返還するよう大和国を通じて政府に求めてきたのに対し、それを認可するものとなっている。本文は一筆であるが、末尾の官人の名のみ自署。また、字面には「天皇御璽」の印文を持つ朱印が11顆捺されている(印影は縦8.8cm、横8.6cm)。なお、本文書は影写本が東京大学史料編纂所に架蔵され(「東寺文書」幅之部)、釈文は『平安遺文』223号に所収される。
重要文化財 えんちょう4ねん2がつ13にちみんぶしょうふ 延長四年二月十三日民部省符
1幅
紙本墨書 掛幅装
本紙 縦29.6 横45.0 表具 縦112.0 横57.1
平安時代 10世紀
延長4年 926

- H025720

- H025720
- 2014/06/26
- 全文(朱印有)
もっと見る