北村大通(きたむらだいつう)(一九一〇〜九二)は北村久斎(きたむらきゅうさい)の長男で、東京美術学校(現東京藝術大学)で六角紫水(ろっかくしすい)や松田権六(まつだごんろく)に漆工を学んだ。父の仕事を受け継ぎ、正倉院宝物などの修理・模造を手がけるとともに、文部省美術展覧会(新文展)や日展といった主要な展覧会で入選を重ねるなど、創作活動でも顕著な功績を残した。乱箱(みだればこ)は、衣類や身の周りの品を入れるための箱。見込みに鮮やかな色漆(いろうるし)で袖垣(そでがき)が描かれ、桜花(おうか)の文様(もんよう)が散らされる。螺鈿(らでん)の輝きがアクセントを添え、一部に貼られた鉛板(なまりいた)は袖垣の質感まで伝えるようである。伝統技法を踏まえつつも新しい表現が試みられた意欲的な作品である。
(三本周作)
奈良博三昧―至高の仏教美術コレクション―. 奈良国立博物館. 2021.7, p.279, no.233.
まきえらでんみだればこ きたむらだいつうさく 蒔絵螺鈿乱箱 北村大通作
1口
木製 漆塗 蒔絵 螺鈿
縦42.4 横36.4 高6.6
漆工
明治時代~昭和 19~20世紀
- H008976
- H008979
- 2011/02/28
- 見込
- H008976
- 2011/02/24
- 斜全体
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| 収蔵品番号 | 1452-0 |
|---|---|
| 部 門 | 工芸 |
| 区 分 | 漆工 |
| 部門番号 | 工341 |
| 銘 文 | 箱蓋表墨書「蒔絵乱箱 袖」、箱蓋裏墨書「平成二十三年一月十二日/寄贈 北村昭斎」「大通作 朱文方印(大通)」。 |
| 文 献 | 奈良博三昧―至高の仏教美術コレクション―. 奈良国立博物館, 2021.7, 354p. |

