こんたいぶつがじょうだんかん（むりょうこうぼさつ） 金胎仏画帖断簡（無量光菩薩）

１幅
紙本著色　掛幅装 　縦長の料紙のやや上方に、蓮華座上に右足を上にして半跏趺坐する無量光菩薩を描き、その向かって右上に尊名「無量光■（艹＋廾）、左上に密号「大光金剛于」を墨書し、下に三昧耶形として光芒を放つ蓮華および種子「■（a）」を配す。無量光菩薩の顔および体躯はほぼ正面を向き、上に開いた右掌からは光芒が三方に放たれ、右手は軽く屈して膝前で拳を握る。肉身および着衣は肥痩のない流麗な濃墨線で輪郭され、肉身には淡く朱隈が施される。宝冠・胸飾・臂釧・腕釧の金属部分はガンボージとみられる有機系の黄色の色料で表され、着衣は、条帛の表に茶色・裏に朱、腰布に緑青、裙の表に群青・裏に朱が、それぞれ衣文線に沿って段隈状に彩色される。蓮華座は、蓮弁の先端部分のみを黄色で暈かして他は塗り残す。光背は、頭光・身光ともに三重の輪郭線を引いて三区画を設け、頭光は外区から順に群青・丹・緑青、身光は同じく外区から黄色に緑青・朱・群青で、それぞれ各区画の外縁を隈取るように彩色する。
縦25.0ｃｍ　横13.3ｃｍ（表具総法量　縦136.2ｃｍ　横34.4ｃｍ）
絵画
平安時代　12世紀