愛染明王(あいぜんみょうおう)は、その姿について説く『金剛峯楼閣一切瑜伽瑜祇経(こんごうぶろうかくいっさいゆがゆぎきょう)』に五指(ごし)を並べた大きさ(像高約六センチメートル)に造る像のことも記載しており、小像が一つの規範になっていたことがわかる。また、愛染明王は個人的な所願成就のために造像されることも多く、念持仏(ねんじぶつ)として携帯しやすい香合仏(こうごうぶつ)の事例がいくつか知られる。本品もその一例であるが、小像ながらめりはりのある肉取りを示し、彫刻としての充実感を湛(たた)えている。肉身の凹凸に沿った着衣の襞(ひだ)の動きも的確に捉えられており、この種の香合仏の中でも優品に位置づけられよう。
(三本周作)
奈良博三昧―至高の仏教美術コレクション―. 奈良国立博物館. 2021.7, p.261, no.116.
- H026706
- 2014/08/27
- 全体(仏像面)
もっと見る
| 収蔵品番号 | 1345-0 |
|---|---|
| 部 門 | 工芸 |
| 区 分 | 漆工 |
| 部門番号 | 工285 |
| 文 献 | 奈良博三昧―至高の仏教美術コレクション―. 奈良国立博物館, 2021.7, 354p. |

