水瓶は水を容れ、飲み水や口・手足などの洗浄に用いられる器である。仏教では常に心身を清浄に保つことを旨としたことから、早くから比丘十八物のひとつとして僧侶の生活必需品となり、さらに仏前に浄水を供える容器にまで発展した。主として響銅(きょうどう)製、白銅製、金銅製など金属製が用いられた。本品は響銅製の水瓶で、卵形の胴に口縁が朝顔形に開いた長頸をつくり、胴下端にやや外開きの小振りの高台を供えている。頸には八段の節を轆轤(ろくろ)で表す(千段巻(せんだんま)きという)。このような卵形の胴に長頸をのせた形式を王子形水瓶という。本品には水瓶を承ける盤が付属している。いわゆる端反りぎみの浅手の鋺で、底に高台をつくる。水瓶、承盤とも総体に厚手でほぼ全面に粗い挽き目を残すが、高台内側は鋳放しのままである。
(内藤栄)
奈良国立博物館の名宝─一世紀の軌跡. 奈良国立博物館, 1997, p.287, no.43.

- D017677

- D017677
- 1997/03/11
- 全体

- A024965
- 1997/03/11
- 全体

- A209946
- 1992/06/18
- 側面

- A209947
- 1992/06/18
- 側面
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収蔵品番号 | 1168-0 |
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部 門 | 工芸 |
区 分 | 金工 |
部門番号 | 工247 H |
文 献 |
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収蔵品番号 | 画像 | 名称 |
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1168-1 |
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響銅王子形水瓶 |
1168-2 |
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響銅承盤 |
収蔵品番号 | 1168-1 |
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画 像 |
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名 称 | 響銅王子形水瓶 |
収蔵品番号 | 1168-2 |
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名 称 | 響銅承盤 |