敵や怨霊(おんりょう)などを打ち破ることや安産、長寿などを祈願する六字経法(ろくじきょうほう)の本尊画像。中央の大円相(えんそう)の中心に、掌(てのひら)の上に輪宝(りんぽう)を置く釈迦金輪(しゃかきんりん)を描き、その周りに六観音(ろくかんのん)(聖観音(しょうかんのん)・千手観音(せんじゅかんのん)・馬頭観音(ばとうかんのん)・十一面観音(じゅういちめんかんのん)・准胝観音(じゅんていかんのん)・如意輪観音(にょいりんかんのん))を配する。上方には飛来する天人、下方は水景の中に水牛に乗る大威徳明王(だいいとくみょうおう)と岩座に坐(ざ)す不動明王(ふどうみょうおう)、小月輪(しょうがちりん)を囲む六天を描く。
この図像は、真言宗小野流の始祖とされる仁海(にんがい)(九五一〜一〇四六)が考案し、醍醐寺(だいごじ)を中心に重視された。醍醐寺には同様の曼荼羅が二図伝わるが、本図は鎌倉時代にさかのぼる古例として貴重である。
(萩谷みどり)
奈良博三昧―至高の仏教美術コレクション―. 奈良国立博物館. 2021.7, p.258, no.95.
| 収蔵品番号 | 1199-0 |
|---|---|
| 部 門 | 絵画 |
| 区 分 | 絵画 |
| 部門番号 | 絵225 |
| 文 献 |
奈良博三昧―至高の仏教美術コレクション―. 奈良国立博物館, 2021.7, 354p. 奈良国立博物館蔵品図版目録 仏教絵画篇. 奈良国立博物館, 2002, 169p. |