大分県出土と伝えられる経塚遺品で、もとは傘蓋付の銅製経筒を伴っていたという。経巻は塊状であったが修理によって開いたところ、薄手の紙を六十五紙貼り継ぎ、『法華経』二十八品と『般若心経』を一巻仕立てで書写したものと判明した。表紙と巻頭部分を損じているが、巻末まで良好な状態で保存されている。すべて朱書で統一された稀有な経巻で、奥書に僧妙禅が願主となり、金剛仏子(こんごうぶっし)巌秀が執筆者となって、康治二年(一一四三)八月十五日に書写を終えたと記されている。巻頭の序品第一紙はやや黒味を帯びた紫色を呈しているので、朱墨に血を混ぜて書写した血書経とも想定される。また、本品には、幅二ミリメートル、断面三角形に削られた細木片が附属するが、これは巻頭の縁に付けた八双もしくは巻末に付けた木軸であろう。
(吉澤悟)
まぼろしの久能字経に出会う 平安古経展, 2015, p.142
ほけきょうおよびはんにゃしんぎょういっかん(でんおおいたけんしゅつど) 法華経及び般若心経一巻(伝大分県出土)
2巻
紙本 朱書
縦21.3 一紙長50.0
考古
平安時代 12世紀
康治2年 1143年
- A022482
- A022482
- 巻首・巻末
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| 収蔵品番号 | 959-0 |
|---|---|
| 部 門 | 考古 |
| 区 分 | 考古 |
| 部門番号 | 考264 |
| 伝 来 | 伝大分県出土 |
| 銘 文 | 墨書「康治二年【歳次/癸亥】八月十五日【己/亥】未時尅書寫畢/願主僧妙禪/執筆金剛佛子巖□〔秀〕」 |
| 文 献 | まぼろしの久能寺経に出会う : 平安古経展. 奈良国立博物館, 2015, 172p.親と子のギャラリー 弥勒如来にささげる:お経のタイムカプセル. 奈良国立博物館, 2003, 36p.奈良国立博物館蔵品図版目録 考古篇 経塚遺物. 奈良国立博物館, 1991, 120p. |

