木製、黒漆塗の磬架で要所には金銅製金具を装着する。形式は刳形脚二個に横木を流して基台とし、脚と横木の接合部に柱を立て、両端が蕨手になった連弧式山形の梁木をのせた通例のもので、各部材には大きく面取りを施している。金具は蕨手先、柱基部の二ヶ所に飾られるがいずれも厚手で猪目透し魚々子地に線刻の宝相華唐草文を飾る。他に梁木内側に二ヶ所、磬を吊るための紐を懸ける円形素文の座金をもつ鐶金具を、一方の柱の上方に磬を打ち鳴すための槌を懸けておくための四花形座金付の鉤形金具を装着している。蕨手の内反りや、脚の刳りもおだやかで、各部材に施される面取りも大きく、随所に古様が認められる。さらに堅実な手法で作られた金具の様式等を勘案して、この品が鎌倉時代前半の制作になるものと思われる。ほゞ完全に原姿を残し、基台裏面の朱漆銘「高野山金剛峯寺御影堂寶前」によって伝来が確かめられるのも貴重である。
(阪田宗彦)
密教工芸 神秘のかたち, 1992, p.196-197
- H030447
- 2015/06/10
- 全体(A面)
- H030448
- 2015/06/10
- 全体(B面)
- H030449
- 2015/06/10
- 正面右斜(B面)
- H030450
- 2015/06/10
- 基台裏銘部分
- A023243
- 1992/01/31
- 全景
- A023244
- 1992/01/31
- 銘文部分
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| 収蔵品番号 | 808-0 |
|---|---|
| 部 門 | 工芸 |
| 区 分 | 漆工 |
| 部門番号 | 工168 |
| 伝 来 | 高野山御影堂(和歌山)伝来 |
| 文 献 | 密教工芸:神秘のかたち. 奈良国立博物館, 1992, 286p.奈良国立博物館蔵品図版目録 工芸篇 仏教工芸. 奈良国立博物館, 1992, 121p. |

