身の中央に横帯を設け、その上下に文様を施す流水文銅鐸である。材質はもろく、鋳くずれの上に、手擦れによる摩滅が多く、二次的損傷部も多い。両面ともに3条一束の流水文を上下2段に鋳出する点は共通するが、身の中央帯は一方には斜格子目文を施し、他方には連続渦文を巡らすなどの相違点がみられる。また鈕は外縁付鈕(がいえんつきちゅう)とよばれているもので、1面は隆起帯の内側斜面に双頭蕨手文(わらびてもん)と小蕨手文を、外側斜面には双頭渦巻文を、外縁部には連続渦巻文を飾る。他の1面は隆起帯の内側斜面には文様がみられず、外側斜面と外縁に鋸歯(きょし)文帯を3重にめぐらすなどの点も異なる。
出土地は奈良市南部の春日断層崖下から西に向かって張り出す丘陵の内の一支脈の西南斜面で、鰭(ひれ)を天地に向け尾根筋にほぼ直角に置かれていた。奈良県下では銅鐸の出土例が10件前後と割に少なく、本例は流水文銅鐸のうちで、中横帯で上下に文様帯を区画し、肩には横帯を持たないもので、天理市の石上(いそのかみ)1号銅鐸と類型を同じくしている。
(井口喜晴)
奈良国立博物館の名宝─一世紀の軌跡. 奈良国立博物館, 1997, p.277, no.4.
- D017788
- D017788
- 1997/03/27
- 全体(A面)
- D017790
- 1997/03/27
- 全体(B面)
- A025038
- 1997/03/27
- 全体(B面)
- A025040
- 1997/03/27
- 全体(A面)
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| 収蔵品番号 | 725-0 |
|---|---|
| 部 門 | 考古 |
| 区 分 | 考古 |
| 部門番号 | 考210 |
| 伝 来 | 奈良市山町早田出土 |
| 文 献 | 奈良国立博物館の名宝─一世紀の軌跡. 奈良国立博物館, 1997, 350p. |

