小形の金銅製宝塔。二重の基壇に円筒形の塔身をのせ、相輪をいただいた宝形造の屋蓋をのせている。基壇のうち下段は各面に三間の格狭間(こうざま)をもうける。上段は側面に格狭間を、上面には宝相華文を線刻する。基壇の上に反花座をすえ、その上に塔身を置く。塔身には四方に宝塔形が透彫されている。透かしを通して内部の舎利をかいま見せるという意匠であったのであろう。塔身の上は二層目を省略し、亀腹の上にじかに屋蓋をのせている。軒下は組物を作らず、段のみを設けるが、これは平安後期から鎌倉時代の宝塔にしばしば見ることができる。屋蓋の上面には瓦を筋で表し、相輪の先端から屋蓋の四隅に宝鎖を渡している。透かし文様が印象的であり、小品ながら平安後期の余香を感じさせる優品である。
(伊東哲夫)
仏舎利と宝珠―釈迦を慕う心, 2001, p.206
- H026709
- 2014/08/27
- 全体
- H026710
- 2014/08/27
- 斜全体
- H026711
- 2014/08/27
- 斜全体(やや上から見た状態)
- D000872
- 側面
- A023274
- 1992/01/31
- 側面
- A023275
- 1992/01/31
- 斜全景
- A031824
- 斜全体
- A031825
- 塔身部分
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| 収蔵品番号 | 668-0 |
|---|---|
| 部 門 | 工芸 |
| 区 分 | 金工 |
| 部門番号 | 工129 |
| 文 献 | 仏舎利と宝珠:釈迦を慕う心. 奈良国立博物館, 2001, 263p.奈良国立博物館蔵品図版目録 工芸篇 仏教工芸. 奈良国立博物館, 1992, 121p. |

