宝塔形(ほうとうけい)に作られた素焼きの小型土製品。塔身部には種子(しゅじ)「カ」(地蔵菩薩を梵字で表したもの)が表わされ、基部(きぶ)には文字が一字線刻される。この文字は個体ごとに異なり、法華経の経文からの採字とみられる。また、全形は型押しで製作されるが、形状は一定せず数種類の型の使用が窺われる。これらは平安時代以降に流行した泥塔供養(様々な祈願のため小塔を数多く作る行為)に用いられたと考えられる。塔形の土製品は古代から近世までみられるが、経文を刻むものは珍しく、鳥取県智積寺跡(あるいは太千寺跡)から出土したとされるものがほぼ唯一である。この泥塔は散逸し、現在、各地の博物館などに計数百点が収蔵されている。
(中川あや)
奈良博三昧―至高の仏教美術コレクション―. 奈良国立博物館. 2021.7, p.254, no.69.
でいとうきょう(とっとりけんちしゃくじきょうづかしゅつど) 泥塔経(鳥取県智積寺経塚出土)
37個
土製 型抜 箆書 線刻 焼成 素焼
高約5.2~6.7
考古
鎌倉時代 13~14世紀
- D017726
- D017726
- 1997/03/13
- 12点全体
- A024985
- 1997/03/13
- 12点全体
- A022213
- 側面全景
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| 収蔵品番号 | 662-0 |
|---|---|
| 部 門 | 考古 |
| 区 分 | 考古 |
| 部門番号 | 考189 |
| 伝 来 | 鳥取県東伯郡赤碕町竹内出土 |
| 寄 贈 | 細見亮市氏寄贈 |
| 銘 文 | 塔身基部および裏面箆書 (基部)「群生震」、(裏面)「■〈梵字ア〉■〈梵字バン〉世尊甚」(法華経 化城喩品第七)、(基部)「慎勿懐」、(裏面)「■〈梵字ア〉■〈梵字バン)令汝入佛」(法華経 化城喩品第七)、塔身基部箆書(一基一字)「供、説、應、是、普、万、流、座、覚、種、真、那、捨、若、佛、槃、及、鬼、有、千、善、阿、各、量、銀、若、無、若、己、吾、於、求、生、数、竟」 |
| 文 献 | 奈良博三昧―至高の仏教美術コレクション―. 奈良国立博物館, 2021.7, 354p.奈良国立博物館蔵品図版目録 考古篇 経塚遺物. 奈良国立博物館, 1991, 120p. |

