宮内庁所蔵の聖徳太子二王子像の模本。筆者の和田貫水(一八六七~一九四五)は、幕末に大阪に生まれ、尾崎雪濤(せっとう)(一八二八~一九一〇)や和田薫、守住貫魚(つらな)(一八〇九~九二)といった絵師に師事し、やまと絵を得意とした。明治二十七年(一八九四)より奈良市内、興福寺南側の奈良町(ならまち)と呼ばれる地域に居を構え、明治三十年八月には春日大社の画事を担う春日絵所預(かすがえどころあずかり)に任命されている。なお、春日大社による春日絵所預の任命は、同年六月の古社寺保存法公布を受けてのことと考えられる。
落款(らっかん)によれば、本図は和田貫水が春日絵所預となった翌月の明治三十年九月の作であり、帝国博物館が行った古画模写事業の一環と捉えられる。記録を参照すると、帝国奈良博物館(現在の奈良国立博物館)は十六円二十銭で和田貫水より本図を譲り受けている。原本は明治十一年(一八七八)に法隆寺から皇室に献上されたが、貫水は奈良のやまと絵師として、法隆寺に伝来した原本の描写を丁寧に写しとったものと考えられよう。
(北澤菜月)
聖徳太子と法隆寺. 奈良国立博物館, 2021.4, p.276, no.3.
しょうとくたいしにおうじぞう ぎょぶつもしゃ 聖徳太子二王子像 御物模写
1幅
紙本著色 掛幅
本紙:縦101.4 横53.7 表具:縦174.0 横69.8
絵画
明治時代 19世紀
明治30年 1897年
- D017752
- D017752
- 1997/03/24
- 全図
- A025013
- 1997/03/24
- 全図
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| 収蔵品番号 | 4-0 |
|---|---|
| 部 門 | 絵画 |
| 区 分 | 絵画 |
| 部門番号 | 絵3 |
| 作品関係者 | 和田貫水 |
| 文 献 | 聖徳太子と法隆寺. 奈良国立博物館, 2021.4, 345p. |

