宝庫には十九本の筆が伝わる。このうち二本は、天平勝宝四年(七五二)の大仏開眼会で用いられたものを含む長大な品であるが、他は標準的な大きさの筆である。いずれも、穂がすべて毛でつくられる今日のものとは異なり、芯毛の腰回りに紙と毛を交互に巻いた後、筆管(ひっかん)に差し込む巻筆(まきふで)の製法でつくられる。穂の先端が雀の頭に似る(下端の太さに比して先端が急に細くなる)ことから雀頭筆(じゃくとうひつ)と称される形式で、細字の書写や写経に適するとされる。標準サイズの十七本の筆管は、すべて竹製である。帽(ぼう)と呼ばれるキャップも竹製で、筒状のものや割竹によるものなど意匠は一様でないが趣向を凝らしたものが多い。
本品は明治時代に宝庫の筆を参考に復元された品々。宝庫の筆の筆管には、天然の斑文(はんもん)を有する斑竹(はんちく)や斑文を人工的に表した仮斑竹(げはんちく)が用いられるが本品は無斑であるなど、特定の宝物を正確に模したものではないが、雀頭筆の趣を再現している。
(中川あや)
よみがえる正倉院宝物. 奈良国立博物館, 2020.4, p.153, no.118.
- D017762
- 1997/03/25
- 全体(5本)
- D036779
- 1995/06/27
- 全体(5本)
- A025021
- 1997/03/25
- 全体(5本)
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| 収蔵品番号 | 246-0 |
|---|---|
| 部 門 | 工芸 |
| 区 分 | 工芸 |
| 部門番号 | 工81 |
| 文 献 | よみがえる正倉院宝物. 奈良国立博物館, 2020.4, 223p. |

