密教の世界を図示した金剛界(こんごうかい)・胎蔵界(たいぞうかい)からなる曼荼羅(まんだら)。赤、橙、青、緑を基調とした鮮やかな濃彩を用い、継ぎ目のない大幅(たいふく)の絹に諸尊を描く。地(じ)には精密な截金文様(きりかねもんよう)を施し、装身具といった金具を表す部分には絹の裏から金箔(きんぱく)をあてる裏箔(うらはく)を用いるなど古様な表現をとるが、諸尊の面貌には若干のあくの強さが認められ、鎌倉時代末の作と考えられる。
特筆すべきこととして、弘法大師空海(こうぼうだいしくうかい)(七七四〜八三五)が中国・唐よりもたらした権威ある両界曼荼羅の図像を意識的に写しているとみられる点が挙げられる。奈良県宇陀市の真言宗の寺院、大蔵寺(おおくらでら)に伝来した。
(萩谷みどり)
奈良博三昧―至高の仏教美術コレクション―. 奈良国立博物館. 2021.7, p.257, no.90.
- H054080
- 2021/04/02
- 全図
- H054090
- 2021/04/02
- 全図(表具含む)
もっと見る
| 収蔵品番号 | 1520-0 |
|---|---|
| 部 門 | 絵画 |
| 区 分 | 絵画 |
| 部門番号 | 絵288 |
| 伝 来 | 大蔵寺(奈良県宇陀市)伝来 |
| 銘 文 | 箱身内底墨書銘「大蔵寺両界曼荼羅箱也應永三年丙子南呂之天」 |
| 文 献 | 奈良博三昧―至高の仏教美術コレクション―. 奈良国立博物館, 2021.7, 354p. |
関連する文化財
| 収蔵品番号 | 画像 | 名称 |
|---|---|---|
| 1520-1 |
|
両界曼荼羅(胎蔵界曼荼羅) |
| 1520-2 |
|
両界曼荼羅(金剛界曼荼羅) |
| 収蔵品番号 | 1520-1 |
|---|---|
| 画 像 |
|
| 名 称 | 両界曼荼羅(胎蔵界曼荼羅) |
| 収蔵品番号 | 1520-2 |
|---|---|
| 画 像 |
|
| 名 称 | 両界曼荼羅(金剛界曼荼羅) |

