修験道(しゅげんどう)の開祖として尊ばれる役小角(えんのおづぬ)(役行者)の像。像内の墨書により、弘安九年に慶俊(けいしゅん)が造ったとわかる。役行者通有の姿だが、両眼を見開いて正面を向く姿は存在感がある。修験道の聖地である奈良の吉野山に伝来。
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修験道(しゅげんどう)の開祖として尊ばれる役小角(えんのおづぬ)(役行者)の肖像。像内の墨書(ぼくしょ)銘により、弘安九年に仏師慶俊(けいしゅん)によって造られたことがわかる。本像は修験道の総本山、奈良吉野の金峯山寺(きんぷせんじ)にほど近い場所に伝来したが、江戸時代の修理記録では同じ吉野の大峯山寺(おおみねさんじ)ゆかりの像とされる。老相を示し、頭巾をかぶって大袖(おおそで)衣に袈裟(けさ)と蓑(みの)を着し、下駄を履く。役行者像通例の姿だが、両眼を見開いて正面を見据える姿が存在感にあふれる優品。両肩以下を含む頭・体幹部をヒノキの一材から彫出し、両耳後を通る線で前後に割り矧(は)ぐ。両前膊(ぜんぱく)や両手先、袖先や両足先以下などに適宜別材を矧ぐ。
(内藤航)
なら仏像館名品図録. 奈良国立博物館, 2022, p.143, no.190.















































