料紙を継いだ縦長の画面に、墨描で帝釈天立像を描き、所々に色注を書き加える。帝釈天は、鰭袖(ひれそで)がつく上衣をまとい、敷物の上に沓(くつ)を履(は)いて立つ。右手は胸前で独鈷杵(とっこしょ)を持ち、左手は胸前で掌(てのひら)を見せ第三・四指を曲げる印相(いんそう)をあらわす。図中の墨書によれば醍醐寺(だいごじ)三宝院(さんぽういん)に伝来した珍海(ちんかい)(一〇九一~一一五二)筆様の十二天(じゅうにてん)図像の一つと考えられ、平安時代後期に活躍した高名な画僧(がそう)の作風を伝える数少ない貴重な作例である。さらに立像による十二天図像の日本における最も古い姿を伝えることから、密教絵画史上極めて高い価値を有している。
(谷口耕生)
SHIBUYAで仏教美術ー奈良国立博物館コレクションより. 渋谷区立松濤美術館, 2022.4, p.105, no.14.
- H056369
- 2021/12/20
- 全図(表具含む)
- H056370
- 2021/12/20
- 全図
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| 収蔵品番号 | 1508-0 |
|---|---|
| 部 門 | 絵画 |
| 区 分 | 絵画 |
| 部門番号 | 絵284 |
| 銘 文 | [墨書]「百二十九号/帝釈天/醍醐寺三宝院十二天/珍海已講筆/玄証本」 [印]画面右下に長方形の朱印の痕跡があるが、判読できない。 |
| 文 献 | SHIBUYAで仏教美術ー奈良国立博物館コレクションより. 渋谷区立松濤美術館, 2022.4, 127p. |

