画面上半に春日大社の景観、下半に興福寺の主要堂塔に安置される諸尊を描いたもので、中世において春日社景は定型として数多く描かれる春日宮曼荼羅の構成を踏襲しており、本殿から春日山の上方に湧き上がる雲に春日大社祭神の本地仏五尊が立つのも、鎌倉後期以降の春日宮曼荼羅や春日社寺曼荼羅にしばしば見られるものである。ただし、瑞垣(みずがき)に囲まれた流造(ながれづくり)の小社の存在が認められるものの、その社名については、いずれも細く謹直な墨線で台座光背など細部に至るまで精緻に描き起こされており、現存しない像の詳細をうかがい知ることができる。社殿や樹木・霞の形態が正安二年(一三〇〇)成立の湯木美術館本春日宮曼荼羅と近似しており、金泥塗りの涌雲に銀泥で暈かしを入れ、興福寺諸尊すべてに丁寧に裏箔を施すなど古様な表現技法を随所に見せることからも、鎌倉時代後期に遡る作と見て間違いない。
(谷口耕生)
創建一二五〇年記念特別展 国宝 春日大社のすべて. 奈良国立博物館, 2018, p.318-319, no.124.
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- 全図
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- 画面上部1/4部分
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- 画面上~中部1/4部分
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- 画面中~下部1/4部分
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- 画面下部1/4部分
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- 画面上部1/4部分
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- 画面上~中部1/4部分
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- 画面中~下部1/4部分
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- 画面下部1/4部分
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| 収蔵品番号 | 1507-0 |
|---|---|
| 部 門 | 絵画 |
| 区 分 | 絵画 |
| 部門番号 | 絵283 |

