シタン材の一枚板に、様々な幾何学文木画(きかがくもんもくが)や絵画文木画(花文様)を試みた木画技法の手板(ていた)。木内半古「正倉院御物修繕の話」(『東洋美術特輯 正倉院の美術』所収、飛鳥園、昭和四年)に「木内翁模造正倉院木画標本」として図版が掲載されており、制作年代の下限と作者がわかる。ただしこの時点では貼紙(はりがみ)はなく、後世何らかの機会に付されたものと推測される。〔甲〕では四種の矢羽根文(やばねもん)と甃文(いしだたみもん)、亀甲文(きっこうもん)が試みられており、〔乙〕では単花文、複弁花文、甃文、斜行文(しゃこうもん)・甃文・直行文(ちょっこうもん)の複合文様(もんよう)、矢筈文(やはずもん)、矢羽根文を直行文で挟んだ文様が、象牙、緑色に染めた鹿角(ろっかく)、コクタン、シタン、ツゲ、カリン、錫(すず)、玳瑁(たいまい)などの小片を組み合わせて表される。直線状の文様は、木画の断面構造をみせる斜行文・甃文・直行文の複合文様を除いて、正倉院宝物によくみられるように、象牙の界線で挟んで表されている。多くの正倉院宝物の修理を手掛けた半古の、木画学習を如実に示す作例である。
(清水健)
名匠三代―木内喜八・半古省古の木工芸―, 2015, p.45
もくがていた(きうちけさんだいしりょうのうち) 木画手板(木内家三代資料のうち)
2枚
木製 木画
甲:縦6.0 横10.6 厚0.66 乙:縦6.0 横10.4 厚0.69
漆工
明治時代~昭和 19~20世紀
- H029532
- H029532
- 2015/01/08
- 全体(表面)
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| 収蔵品番号 | 1480-0 |
|---|---|
| 部 門 | 工芸 |
| 区 分 | 漆工 |
| 部門番号 | 工357 |
| 寄 贈 | 岡井一子氏寄贈 |
| 銘 文 | 甲 各文様帯に貼紙「1」~「6」。乙 各文様帯に貼紙のあるうち2点に「15」「16」(他は判読不能) |
| 文 献 | 名匠三代木内喜八・半古・省古の木工芸. 奈良国立博物館, 2015.6, 64p. |

