木目を活かした摺漆塗(すりうるしぬり)の硯箱(すずりばこ)で、身の側面に網代(あじろ)を彫刻している。蓋は全体に緩やかな隆起があり、身側面の角及び底面の縁は丸みを持たせている。蓋の内側は、身の口にかかるための立ち上がりを、四面棧蓋(さんぶた)風に彫り出している。蓋の内側及び身の見込みは、鑿痕(のみあと)を残している。身側面に彫刻された網代文は口縁にもめぐっている。なお、内容品は残されていないが、大きさや形状より硯箱と考えられる。網代彫は彫刻で網代編みを模す技法であり、半古は桑網代彫蔦象篏手箱(くわあじろぼりつたぞうがんてばこ)(羽入家旧蔵)などでも用いている。本品は一見素朴な作品であるが、身の合口部(あいくちぶ)では龍の口のように材を巻いた様子を彫刻するなど、入念な細工(さいく)が施されている。また、蓋(キリ)と身(ケヤキ)で木目の違う材を用いるなど、素材の特徴を活かした木工家らしい配慮を見ることができる。
(内藤栄)
名匠三代―木内喜八・半古省古の木工芸―, 2015, p.40
あじろぼりすずりばこ きうちはんこさく(きうちけさんだいしりょうのうち) 網代彫硯箱 木内半古作(木内家三代資料のうち)
1合
蓋:木製 キリ材 透漆塗 身:木製 ケヤキ材 透漆塗
縦25.1 横19.8 高4.3
工芸
明治時代~昭和 19~20世紀
- H029460
- H029460
- 2015/02/17
- 斜全体
- H029461
- 2015/02/17
- 斜全体(蓋を身に懸けた状態)
- H029462
- 2015/02/17
- 蓋表(真上から見た状態)
- H029463
- 2015/02/17
- 蓋裏(真上から見た状態)
- H029464
- 2015/02/17
- 身見込(真上から見た状態)
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| 収蔵品番号 | 1468-0 |
|---|---|
| 部 門 | 工芸 |
| 区 分 | 工芸 |
| 部門番号 | 工345 |
| 寄 贈 | 岡井一子氏寄贈 |
| 文 献 | 名匠三代木内喜八・半古・省古の木工芸. 奈良国立博物館, 2015.6, 64p. |

