小ぶりで薄形の八角輪宝(はっかくりんぼう)。通常の輪宝と異なり中央部と外周部との厚みに差がなく、一般に刃状に薄く作る周囲の峰も特に厚みに変化を付けていない。中央の轂(こく)は八角形で表裏に八葉素弁の蓮華を表す。蓮肉は八花形を呈し、中央に1箇、周囲に8箇の蓮実を打ち、外周にしべを刻んでいる。鈷(こ)は細めで先端部を外輪の内側に鑞付けしている。外周部は内側に二重圈線を巡らし、外側は花弁帯としている。今日の作例を見る限り、鎌倉~室町時代の輪宝は一回の鋳造で作られるものが一般的で、本品のように二つに分けて鋳造し鑞付けする例は稀である。
(内藤栄)
古玩逍遥 服部和彦氏寄贈 仏教工芸. 奈良国立博物館, 2007, p.50, no.30.

- D047499

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- 2007/02/08
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- D047502
- 2007/02/08
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- A308587
- 2007/02/08
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収蔵品番号 | 1382-0 |
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部 門 | 工芸 |
区 分 | 金工 |
部門番号 | 工303 |
寄 贈 | 服部和彦氏寄贈 |
文 献 |