檜(ひのき)の一材から丸彫した如来(にょらい)小像。両手を腹前に置いて定印(じょういん)を結ぶ阿弥陀(あみだ)如来であったかと推測される。円満な表情や緩やかな曲面による全体の構成に平安時代後期の特色が見て取れる。
題箋
檜(ひのき)の一材からすべてを丸彫りした小彫刻で、両手先を欠失するものの、当初は定印(じょういん)を結んだ阿弥陀如来(あみだにょらい)であったかと推測される。体部背面を除き、肉身と衣の区別なく、全身を白色で直に彩色し、その上に目鼻を墨描する。このような仕上げ法は、社殿に祀られた本地仏(ほんじぶつ)的性格を思わせる。頭体の比例が整い、鋺を伏せたような大きな肉髻(にくけい)、おだやかな目鼻立ち、小さな口および顎、緩やかな肉付けなど平安後期、12世紀の特色が顕著である。
(鈴木喜博)
古玩逍遥 服部和彦氏寄贈 仏教工芸. 奈良国立博物館, 2007, p.17, no.2.

