檜(ひのき)の一材からすべてを丸彫りした小彫刻で、両手先を欠失するものの、当初は定印(じょういん)を結んだ阿弥陀如来(あみだにょらい)であったかと推測される。体部背面を除き、肉身と衣の区別なく、全身を白色で直に彩色し、その上に目鼻を墨描する。このような仕上げ法は、社殿に祀られた本地仏(ほんじぶつ)的性格を思わせる。頭体の比例が整い、鋺を伏せたような大きな肉髻(にくけい)、おだやかな目鼻立ち、小さな口および顎、緩やかな肉付けなど平安後期、12世紀の特色が顕著である。
(鈴木喜博)
古玩逍遥 服部和彦氏寄贈 仏教工芸. 奈良国立博物館, 2007, p.17, no.2.

- D047778
- 2007/02/27
- 正面

- A308812
- 2007/02/27
- 正面
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収蔵品番号 | 1370-0 |
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部 門 | 彫刻 |
区 分 | 彫刻 |
部門番号 | 彫139 |
寄 贈 | 服部和彦氏寄贈 |
文 献 | 古玩逍遥 服部和彦氏寄贈 仏教工芸. 奈良国立博物館, 2007, 79p. |