薄手の銅板に、禅定(ぜんじょう)の姿で蓮台上に坐す同形同大の如来像を二十体打ち出す。法隆寺(ほうりゅうじ)玉虫厨子(たまむしのずし)内壁や長谷寺(はせでら)銅板(どうばん)法華(ほっけ)説相図(せっそうず)など(大画面中に小仏を並列)に類する作品の一部を構成していた可能性がある。
題箋
飛鳥時代から奈良時代にかけて多数制作された、押出仏(おしだしぶつ)の遺品。薄手の銅板に型をあてて20体の同形同大の如来像を打ち出し、表側全面に鍍金をほどこす。如来像はいずれも蓮台上に坐し、禅定(ぜんじょう)の姿(両手先は衣で隠される)をとる。小仏を並列する押出仏は、法隆寺玉虫厨子の内壁に用いられたものや、長谷寺銅板法華説相図(どうばんほっけせっそうず)にみられるものが名高い。本品もこれらと同様、独立した礼拝対象ではなく、より大きな作品を構成する部品の一点と考えられる。
(稲本泰生)
古玩逍遥 服部和彦氏寄贈 仏教工芸. 奈良国立博物館, 2007, p.16, no.1.

