カヤと推定される木材から彫刻された宝珠杵。把(つか)の鬼目(きもく)(円形の突起)は大きく、高く隆起する。蓮弁は一本の輪郭線を刻み、二本線の帯で細く締めている。両側には五つずつ宝珠を表し、火焰を彫刻している。鬼目の形や細い蓮弁部、大きい宝珠の表現より、制作は平安時代後期と推定できる。経典には金剛杵の素材は金・銀・銅・鉄・骨・土・木が挙げられており、雷の落ちた木は霊力があるとされた。わが国における金剛杵の作例では木製はきわめて稀少であり、本品は木製金剛杵の古い作例として貴重である。
(内藤栄)
奈良博三昧―至高の仏教美術コレクション―. 奈良国立博物館. 2021.7, p.263, no.131.
- H054205
- 2021/04/28
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| 収蔵品番号 | 1351-0 |
|---|---|
| 部 門 | 工芸 |
| 区 分 | 漆工 |
| 部門番号 | 工287 |
| 文 献 | 奈良博三昧―至高の仏教美術コレクション―. 奈良国立博物館, 2021.7, 354p. |

