正面と背面に扉のある木製黒漆塗の舎利厨子。正面は奥壁中央に、立てた五鈷杵(ごこしょ)に火焰宝珠をのせた形式の舎利容器を嵌(は)める。容器は金銅製で、宝珠部分には水晶板を嵌(は)め舎利を見せる。奥壁の向かって右下に不動明王(ふどうみょうおう)、左下に愛染(あいぜん)明王を描き、扉の内側には二天像を彩絵する。立てた金剛杵にのる宝珠は密観宝珠と呼ばれ、如意輪(にょいりん)観音を象徴しているとされる。醍醐寺(だいごじ)において、平安時代に如意輪・不動・愛染の三尊をまつる秘法が始められたが、密観宝珠はその秘法で用いられたと推定される。この秘法は鎌倉時代に同寺で学んだ叡尊(えいそん)によって西大寺(さいだいじ)派寺院に広められた。本品の由緒は不明であるが、おそらく叡尊の系譜に連なる作品であろう。
(内藤栄)
奈良博三昧―至高の仏教美術コレクション―. 奈良国立博物館. 2021.7, p.261, no.113.
みっかんほうじゅかんそうしゃりずし 密観宝珠嵌装舎利厨子
1基
木製 黒漆塗 金銅装金具
総高39.0 最大幅35.1 屋蓋幅27.3 軸部:高23.6 幅22.1
漆工
室町時代 15世紀
- H054202
- H054201
- 2021/04/28
- 正面(閉扉)
- H054202
- 2021/04/28
- 正面(開扉)
- H054203
- 2021/04/28
- 背面(閉扉)
- H054204
- 2021/04/28
- 背面(開扉)
- D042673
- 背面(開扉)
- A028678
- 正面(閉扉)
- A028680
- 正面(開扉)
- A028681
- 背面(開扉)
- A028682
- 基壇、軸部、屋外部を分解した状態、背面(閉扉)
- A028684
- 軸部、基壇下段に上段と屋外部を収納したところ
- A028686
- 基壇下段底裏、基壇上段底裏、屋外部裏面
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| 収蔵品番号 | 1350-0 |
|---|---|
| 部 門 | 工芸 |
| 区 分 | 漆工 |
| 部門番号 | 工286 |
| 文 献 | 奈良博三昧―至高の仏教美術コレクション―. 奈良国立博物館, 2021.7, 354p. |

