当コレクション中には相互によく似通った瓿(ほう)が三点含まれている。腹部に大きく平面的な表現の粗線饕餮文(そせんとうてつもん)が飾られていて、肩の上や圏足には龍紋が飾られ、肩に羊頭形の犠首がついている。これらの瓿は、文様の上では商代後半期の都製のものに近いが、器身の文様帯の下端で鋭く折れ曲がる特徴は都の瓿と大きく異なっている。この瓿と犠首や形態上の特徴が似る瓿が、陜西省で出土しているので、陜西省の商代平行期の産物である可能性が高い。
(難波純子)
坂本コレクション 中国古代青銅器. 奈良国立博物館, 2002, p.34, no.81.
古代中国の青銅器は、利器よりも祭祀や儀式に用いる飲食器が主要な器種になるという、独自の発展を遂げた。ユニークな形状は金属加工技術の高さを示し、表面は獣面(じゅうめん)文などの文様で飾り立てられる。
題箋
この酒がめ「瓿」には、腹部に大きく平面的な表現の粗線饕餮文(そせんとうてつもん)が、肩の上や圏足(けんそく)に龍文、肩に羊頭形の犠首(ぎしゅ)がついている。この瓿は、文様の上では商後期の都(みやこ)で作られたものに近いが、器身の文様帯の下端で鋭く折れ曲がる特徴は都の瓿と大きく異なっている。
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