斝(か)は二里頭期・商代前期・商代後期を通じて重要視された彝器(いき)の一つで、酒を温めるための器である。斝は、王墓や重要な貴族などの墓から出土する程度で、貴重なものであった。この斝は商代後期の古い型式で、平面的な粗線饕餮文(そせんとうてつもん)を二段に飾っている。上段の饕餮は「几(き)」字形の角を持ち、下段は羊角を持っている。大型でかなりの有力者の墓から出土したものと思われる。商代後期も半ばを過ぎると斝はあまり作られなくなり、西周期には消えてしまう。
(難波純子)
坂本コレクション 中国古代青銅器. 奈良国立博物館, 2002, p.28, no.75.

- D032376
- 2002/07/17
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- A244476
- 2002/07/17
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収蔵品番号 | 1317-75 |
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部 門 | 考古 |
部門番号 | 考327 |
寄 贈 | 坂本五郎氏寄贈 |
文 献 | 奈良国立博物館蔵品図版目録 中国古代青銅器篇. 奈良国立博物館, 2005, 147,xxp.坂本コレクション 中国古代青銅器. 奈良国立博物館, 2002, 79p. |