四角い箱形の器身に屋根形の蓋を持つ方彝(ほうい)は、小型ながら、大変手の込んだ器であり、複雑な鋳型を組み合わせて製作されたものである。この方彝は器身上方に獣文を飾るのみの非常に単純な装飾を持つ。蓋の斜辺の傾斜が深く、器身壁が垂直に近いので、成立後間もない商代後期前半のものと考えられる。この後、器身は上方へ開き、蓋も高くなって装飾が多くつけられるようになっていくのである。例数の少ない方彝の貴重な資料である。
(難波純子)
坂本コレクション 中国古代青銅器. 奈良国立博物館, 2002, p.29, no.64.
四角い箱形の器身に屋根形の蓋をもつ方彝は、複雑な鋳型を組み合わせて製作された大変手の込んだ器である。酒を入れておく尊の一種だったと考えられる。
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