もともとの定義は把手と注口のついた器で、水を注ぐ用途があるという。新石器時代の土器中の把手と注口のついた器を匜(い)と呼ぶこともあるが、青銅製の匜は西周後期以降に出現した。浅くて楕円形の器身・断面U字形の大きな注口・三足または四足がつく。蓋を動物形に作ったり、注口の部分に動物の頭部を形作ることによって、動物の口から水を注ぐ趣向になったものが多く見られる。
(難波純子)
坂本コレクション 中国古代青銅器. 奈良国立博物館, 2002, p.49, no.196.
盤は、商代には内底面に蛙や龍などの文様を飾る特殊な器であったが、その後、文様がなくなる傾向にある。西周中期以降は水差しの匜とセットで出土するようになる。後代の文献には儀式前に手を洗う際の水を受ける道具として記載されており、盤の用途が変化したと考えられる。匜には動物の口から水を注ぐ趣向になったものが多く見られる。
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