西周期の簋(き)の資料は比較的多くてさまざまな種類の文様や装飾を持つものが見られ、この器種がかなり重要視されていたことをうかがわせる。しかし西周後期には全体が定型化して文様もごく簡略化したものがつけられるのみとなり、代ってその所持数でその地位を象徴するようになる。それをうかがわせるようにいくつもの簋が並んで出土したとき、それらを列簋(れっき)と呼んでいる。この簋は蓋が失われていて足も補修されているが、内底に長文の銘文が鋳込まれている。「伊」という人物が王命を受けて褒美(ほうび)をもらったときの様子が克明に記されている。
(難波純子)
坂本コレクション 中国古代青銅器. 奈良国立博物館, 2002, pp.44-45, no.178.

- D032406
- 2002/07/23
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- A244506
- 2002/07/23
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収蔵品番号 | 1317-178 |
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部 門 | 考古 |
部門番号 | 考327 |
寄 贈 | 坂本五郎氏寄贈 |
銘 文 | 「唯王廿又七年正月既望丁亥王在周康宮旦王格穆大室即位■季内入佑伊立中延北嚮王呼命尹封冊命伊■官司康宮王臣妾百工賜汝赤市幽黄鑾?■勒用事伊拝手稽首対揚天子休伊用作朕丕顕文祖皇考■叔宝■彝伊其萬年無■子子孫孫永宝用享」 |
文 献 | 奈良国立博物館蔵品図版目録 中国古代青銅器篇. 奈良国立博物館, 2005, 147,xxp.坂本コレクション 中国古代青銅器. 奈良国立博物館, 2002, 79p. |