鼎(てい)は通常平面形が円形であるが、四角い器身と四足を持つ方鼎も作られた。特に商代後期の後半から西周前期にかけての例が多い。この方鼎は西周前期のもので、腹部に大きく浮き彫り表現の饕餮文(とうてつもん)を飾っている。饕餮文の輪郭にはヒラヒラとした装飾が多くつけられていて、饕餮文がより豪華に見えるように意図されている。西周期の鼎は足が細長く、商代後期のものに比べてやや脆弱な印象を与える。足の上部にも饕餮の表現があるが、それはやや簡略化している。
(難波純子)
坂本コレクション 中国古代青銅器. 奈良国立博物館, 2002, p.38, no.111.

- D032446
- 2002/07/24
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- A244545
- 2002/07/24
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収蔵品番号 | 1317-111 |
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部 門 | 考古 |
部門番号 | 考327 |
寄 贈 | 坂本五郎氏寄贈 |
銘 文 | 「王令身■中用其鋳宝尊彝」 |
文 献 | 奈良国立博物館蔵品図版目録 中国古代青銅器篇. 奈良国立博物館, 2005, 147,xxp.坂本コレクション 中国古代青銅器. 奈良国立博物館, 2002, 79p. |