押出仏(おしだしぶつ)制作用の仏像型(ぶつぞうがた)とみられる品。厚手の長方形の銅版に、頭上に大きく化仏(けぶつ)を表して左手に水瓶(すいびょう)をとり、頭光(ずこう)を背負って蓮台上に直立する観音像を陽鋳する。面部・胸・腹などの肉身描写には、唐風の成熟した写実表現が示される。その像容は法隆寺献納宝物203号の押出二観音及び三如来像(東京国立博物館)、京都・鞍馬経塚出土の押出観音菩薩像(鞍馬寺、上半のみ現存)、唐招提寺所蔵の押出三尊仏像中の二体の観音像などの作例に酷似するが、細部形式が一致せず、本品から打ち出された品は知られていない。
(稲本泰生)
なら仏像館名品図録. 奈良国立博物館, 2012, 168p.

- D022823
- 1999/08/05
- 正面

- A229394
- 1999/08/05
- 正面

- A027391
- 正面

- A027392
- 正面

- A027393
- 背面

- A027394
- 菩薩像上半身部分
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収蔵品番号 | 1315-0 |
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部 門 | 彫刻 |
区 分 | 彫刻 |
部門番号 | 彫129 |
文 献 |