出土地不詳の経塚遺品のセットである。銅製経筒は三口あり、うち二口はほぼ同形の鋳造品、もう一口は銅板を円筒形に曲げた鍛造品(たんぞうひん)で、ともに宝珠鈕(ほうじゅちゅう)の被蓋(かぶせぶた)を伴う。土製外容器は、粘土紐を輪積(わづ)みして素焼(すや)きにした円筒容器で、甲盛(こうも)りのある被蓋を伴う。大小二口あり、大ぶりの容器に鋳銅製経筒を二口、細身の方に残りの鍛造の一口を収めたと推定される。
経巻は『法華経』八巻に開結(かいけち)経二巻を加えたものと推測されるが、さらに別経を含んでいる可能性もある。比較的状態の良い経巻の一群と、上半部を欠失した残りの悪い一群があり、前者は『法華経』の巻第三、第四、第五、第八の四巻分、後者は『法華経』を含む九巻分である。すべて朱書で、一行十七字詰め、界線なしで華奢な文字を詰め気味に書いている。巻第八の巻末には「□□三年<戊寅>八月廿八日/於□原寺書写」の奥書があり、戊寅年は保元三年(一一五八)と考えられる。
以上の他、和鏡二面(松喰鶴(まつくいつる)鏡と草花双鳥(そうかそうちょう)鏡)と小ぶりの独鈷杵(とっこしょ)が附属している。これらは経塚埋納の際に、願主らの身近にあった品を一緒に納めたものと推測される。
(吉澤悟)
まぼろしの久能寺経に出会う平安古経展. 奈良国立博物館, 2015.4, p.142, no.19.
- H029354
- 2015/02/25
- 全体(8点、外筒は蓋をとる)
- H029355
- 2015/02/25
- 全体(8点)1
- H029356
- 2015/02/25
- 全体(8点)2
- H029357
- 2015/02/25
- 全体(8点)3
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| 収蔵品番号 | 1217-0 |
|---|---|
| 部 門 | 考古 |
| 区 分 | 考古 |
| 部門番号 | 考319 |
| 伝 来 | 出土地不明 |
| 文 献 | まぼろしの久能寺経に出会う : 平安古経展. 奈良国立博物館, 2015, 172p.奈良国立博物館蔵品図版目録 追録. 奈良国立博物館, 1999, 108p. |
関連する文化財
| 収蔵品番号 | 画像 | 名称 |
|---|---|---|
| 1217-1 |
|
経筒(出土地不明) |
| 1217-2 |
|
経筒(出土地不明) |
| 1217-3 |
|
経筒(出土地不明) |
| 1217-4 |
|
外筒(出土地不明) |
| 1217-5 |
|
外筒(出土地不明) |
| 1217-6 |
|
経巻(出土地不明) |
| 1217-7 |
|
鏡(出土地不明) |
| 1217-8 |
|
鏡(出土地不明) |
| 1217-9 |
|
独鈷杵(出土地不明) |
| 収蔵品番号 | 1217-1 |
|---|---|
| 画 像 |
|
| 名 称 | 経筒(出土地不明) |
| 収蔵品番号 | 1217-2 |
|---|---|
| 画 像 |
|
| 名 称 | 経筒(出土地不明) |
| 収蔵品番号 | 1217-3 |
|---|---|
| 画 像 |
|
| 名 称 | 経筒(出土地不明) |
| 収蔵品番号 | 1217-4 |
|---|---|
| 画 像 |
|
| 名 称 | 外筒(出土地不明) |
| 収蔵品番号 | 1217-5 |
|---|---|
| 画 像 |
|
| 名 称 | 外筒(出土地不明) |
| 収蔵品番号 | 1217-6 |
|---|---|
| 画 像 |
|
| 名 称 | 経巻(出土地不明) |
| 収蔵品番号 | 1217-7 |
|---|---|
| 画 像 |
|
| 名 称 | 鏡(出土地不明) |
| 収蔵品番号 | 1217-8 |
|---|---|
| 画 像 |
|
| 名 称 | 鏡(出土地不明) |
| 収蔵品番号 | 1217-9 |
|---|---|
| 画 像 |
|
| 名 称 | 独鈷杵(出土地不明) |

