4個の小壺を肩部に付けた壺部と5段状の器台部とからなる須恵器である。壺の頸部には櫛描き波状文を3段に施し、肩部には4個の小壺を等間隔に巡らし、その間には粘土塊で作った馬2頭、猪1頭、鳥4羽を配している。器台部は5段からなり、上の2段は櫛歯文、中の2段には櫛描き波状文を飾り、下の1段は無文のままで装飾を施していない。また上の1段には円孔を4個、2段目には長方形の透かし孔を4個、3、4段目には三角形の透かし孔を各々4個ずつ穿っている。色調は壺部が、黒灰色、器台部が灰色を呈し、壺の頸部から胴部の一部にかけて、自然釉がみられる。全体に丁寧なつくりで、均斉のとれた器形を呈し、装飾の動物像もよくその特徴を表している。6世紀後半の古墳時代後期に、葬祭の供献に用いられた須恵器で、出土地は明らかでないが、中国地方の出土品と考えられる。
(井口喜晴)
奈良国立博物館の名宝─一世紀の軌跡. 奈良国立博物館, 1997, p.279, no.11.
そうしょくつききだいつきこもちつぼすえき(しゅつどちふめい) 装飾付器台付子持壺須恵器(出土地不明)
1個
土製
高48.4 口径19.3
考古
古墳時代 6世紀

- D017694

- D017694
- 1997/03/13
- 全景

- A024998
- 1997/03/13
- 全景

- A025878
- 全景

- A025879
- 全景

- A025880
- 上部1/2部分

- A025881
- 肩部の動物部分(馬A)

- A025882
- 肩部の動物部分(馬B)

- A025883
- 肩部の動物部分(猪)

- A025884
- 肩部の動物部分(鳥)
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収蔵品番号 | 1195-1 |
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部 門 | 考古 |
区 分 | 考古 |
部門番号 | 考317 |
伝 来 | 出土地不明(中国地方か) |
文 献 |