木製漆塗の宮殿形厨子に木製の愛染明王坐像を納めたもの。像は本体・台座・光背をそれぞれ赤栴檀材から彫り出す。本体は肉身に愛染明王の身色である赤色を塗り、裳と条帛はさらに切金を施す。台座は蓮弁を朱と金・銀泥で彩色するが、それ以下は栴檀の素地のままとし、表面に細緻な装飾の彫刻を施す。厨子は、外面に唐草の毛彫りに鍍金を施した蝶番・掛金・八双金具を取り付け、内部は全面金箔を貼り、薄い朱線で描いた雲を背景に、向かって右の扉内側に五大明王像、左に弁財天と十五童子の像を描く。上部に取り付けた木製の帳は、金箔の上に非常に細い墨の線で雲と左右一対の鳳凰を描き、鳳凰の羽や雲の一部にさらに朱と銀で色を付けている。
厨子と扉絵, 1990, p.29.
あいぜんみょうおうざぞう(ずしいり) 愛染明王坐像(厨子入り)
1躯
木造 一木造 素地 截金 厨子:木製 黒漆塗
像高8.5 厨子:高19.5 台座高6.0
彫刻
江戸時代 17世紀

- A021096

- A021096
- 1988/06/16
- 正面(厨子共)

- A022673
- 正面(厨子共)
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収蔵品番号 | 117-0 |
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部 門 | 彫刻 |
区 分 | 彫刻 |
部門番号 | 彫3 |
文 献 | 奈良国立博物館蔵品図版目録 彫刻篇. 奈良国立博物館, 1989, 111p. |