香炉(こうろ)は仏前に於いて香を焚くための道具。インドでは臭気を消すために身に香を塗ったり、香を焚くことが行われたが、この習慣は仏教に入り、仏菩薩を香で供養することが一般的に行われるようになった。この作品は火舎香炉とも呼ばれる密教式の香炉で、修法を行う壇において四面器や一面器の中央に置かれる。金銅製轆轤仕上(ろくろしあげ)で、下より三脚付の鍔(つば)形の縁をもつ火炉(かろ)、輪形の甑(こしき)、蓋の順で重ねられている。三脚は別製で火炉に鋲(びょう)で固定されている。蓋は甲が盛り上がった形で、側面に二段のくびれを作り、上面に突帯を巡らしている。上部に宝珠形紐(ほうじゅがたちゅう)をのせ、雲文の煙出しの孔をあけている。本品のような甑をそなえた重層式の火舎香炉は鎌倉時代の遺例に多く見ることができる。
(内藤栄)
平成十二年度国立博物館・美術館巡回展 信仰と美術, 2000, p.60
- D019381
- 1997/12/15
- 全体
- A025283
- 1997/12/15
- 全体
- A024600
- 1992/10/15
- 蓋のみ真上から
- A204586
- 1991/09/17
- 側面
- A204587
- 1991/09/17
- 側面
- A204588
- 1991/09/17
- 側面
- A204589
- 1991/09/17
- 側面
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| 収蔵品番号 | 1161-0 |
|---|---|
| 部 門 | 工芸 |
| 区 分 | 金工 |
| 部門番号 | 工244 |
| 文 献 | 奈良国立博物館蔵品図版目録 追録. 奈良国立博物館, 1999, 108p. |

